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NO108 税制改正大綱

2020.12.11

昨日、与党税制改正大綱が発表されました。
少し柱だけ列挙します。

【贈与】
暦年贈与を廃止して精算課税制度を原則にする、といった議論が事前に漏れ聞こえていましたが、改正には至らず、今後の検討として記載されるにとどまりました。

【住宅】
ローン控除が13年間使う特例が伸びた点は、コロナ禍における住宅需要の刺激としては想定通りでした。
50㎡に満たない場合でも、40㎡以上で所得1000万円以下の場合について、ローン控除の道が用意されました。平成5年改正前は下限が40㎡でしたので、戻ったという印象です。

住宅資金贈与も40㎡で所得1000万円以下という同様の制度が新たに用意されています。
贈与の非課税枠は再びアップするという、予想通りの改正案もあります。

【教育資金】
教育資金贈与は、もっと厳しい改正になるかと思っていましたが、予想とは異なりました。
2割加算が負荷される程度で、まだ使い勝手の良い制度として残ることになります。

【所得税】
源泉税によって確定納税額がマイナスになる場合は、申告義務がなくなる点は面白い改正です。還付申告は3月15日までにこだわらなくていいよ、ということのようです。税理士・税務署の繁忙期緩和のための改正なのか、年金受給者向けの改正なのか。

【固定資産税】
来年は固定資産税の評価替えの年ですが、一定要件に合致する土地については見送られます。

【法人税】
所得拡大促進税制は大きく変わります。賃上げではなく、大企業は新規採用への税メリット、中小企業は常勤・非常勤は関係なく、人件費総額が重要視される制度へ変わります。また、増加率の判定に際しては雇用調整助成金は控除しないことに改正されます。助成金がある年が比較年度になることを考慮した改正です。

M&A引当金なるものを認めるようです。簿外債務などに備えるための引当金です。
また、M&Aで購入してきた株式の下落に備える準備金も認められるようです。

【その他】
押印書類の大幅な削減、電子帳簿やスキャナ保存の簡便化。電子帳簿の推進(加算税メリット付与)。

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