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NO118 消費税のインボイス制度

2021.09.24

消費税のインボイス制度が2年後に始まりますが、事前の登録制度が来月から始まります。
この制度が始まれば、免税事業者がインボイスを発行するために課税事業者を選択するか否かの判断に迫られます。

消費税制度については、創設までに向けて政治の場でいろいろなドラマがあり、いろいろな妥協があった歴史があります。中曽根首相の時代に売上税導入に向けて自民党の税制改正大綱にまとめられるところまで行きましたが、1987年にとん挫したことがあります。その後、竹下首相の下、翌年には消費税の案をまとめ上げ、あっという間に消費税法が施行されました。1989年(平成元年)4月1日の出来事です。

売上税のときには、現在のインボイス制度を導入する内容になっていました。基準期間(売上税は前年度を基準にする制度でした)の課税売上が1億円以下は免税事業者とする制度でしたが、免税事業者からの仕入については税額控除ができない制度を予定していました。まさに、2年後に開始するインボイス制度と同じ内容です。その免税事業者が課税事業者を選択した場合に備えて、簡易課税制度を認める制度になっていました。

今の消費税制度ができるときは、まさに導入ありきで、反対する団体が少なくなるような制度設計に主眼が置かれていたように感じます。①インボイス制度をやめたこと、②免税事業者と簡易課税の課税売上高のラインが異なること、以上から益税が発生する仕組みを容認したことに、今の消費税制度の問題点があります。

30年以上の時を経て、当時の売上税法案に脚光を当てても良いのではないかと思い、ブログに取り上げました。

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