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NO65 配偶者居住権

2018.12.07

配偶者居住権の評価方法の案が出てきています。従来通りの相続税評価額を、居住権と所有権に按分する形です。按分方法の考え方は、居住する期間経過後の土地建物の価値分を現在価値に置き換えて所有権部分を評価する方式です。居住期間が建物の耐用年数を超えてしまうことが想定される場合は、建物についての所有権評価額はゼロです。
納税者の発想としては、この配偶者居住権を使うことで節税できるのか?というところですが、それは見当たりません。共有という形をとることなく自宅評価額を2者に分けるという点においては目新しいですが、ただそれだけです。
二次相続まで考えて、自宅を配偶者ではなく子どもに移すニーズがあり、一方で配偶者は追い出されることを心配しているというニーズもある場合に、この制度が利用されるのかもしれません。
相続税が課税されない家庭であれば、居宅は配偶者が取得すれば解決できる問題です。相続税が課税される世帯に対して税理士が節税アドバイスをすると、必要になってくる制度なのかもしれません。

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