ブログblog

税制改正大綱9 所得拡大促進税制の創設

2013.03.08

7.所得拡大促進税制の創設

 この税制については、多くの人が期待を抱いたのではないでしょうか。給与上昇に踏み切れない企業が多い中、政府や日銀が掲げた2%の物価目標を受けて、ローソンやワークマンが3%、ジェイアイエヌが6%の賞与による年収アップを発表しました。セブン&アイはおよそ1.5%の固定給引上げを発表しています。

 詳細は以下のとおりです。

給与等支給額を増加させた場合、当該支給増加額について、10%の税額控除(中小企業等は20%)が認められます。その適用を受けるためには、以下の3つの要件を満たすことが必要です。

①給与等支給額が基準事業年度(※1)の給与等支給額と比較して5%以上増加していること。

②給与等支給額が前事業年度の給与等支給額を下回らないこと。

③平均給与等支給額が前事業年度の平均給与等支給額を下回らないこと。

※1 基準事業年度とは、平成25年4月1日(個人事業主の場合は平成26年1月1日)以後に開始する事業年度のうち最も古い事業年度の直前の事業年度をいいます。

※ 平成25年4月1日から平成28日3月31日までの間に開始する事業年度(個人事業主の場合は平成26年1月1日から平成28年12月31日までの各年)について適用します。

※ 現行の雇用促進税制(今回の改正により税額控除額が増額します。)、復興特区等に係る雇用促進税制との選択適用です。

 つまり、ローソンやワークマン、セブン&アイの増額分ではこの規定の対象外です。また、ジェイアイエヌの年収6%増額は今年2月末支給であるため、対象外となります。法人税減税を受けられないにも関わらず、先陣を切って給与上昇に踏み切る姿勢には潔さを感じますね。これらの企業は人件費を少しかけるだけで、メディアに大きく取り上げてもらい、かなりの広告宣伝効果を生み出したのではないでしょうか。

 

<ニュースリリース>

ローソン

ワークマン

ジェイアイエヌ

セブン&アイ

記事一覧へ